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「親の家に物があふれて困っている」「何度注意しても片付けてくれない」そんな悩みを抱えていませんか。もしかすると、それはただの片付け下手ではなく、ためこみ症という病気の症状かもしれません。
ためこみ症は本人の意思だけで改善することは難しく、専門的な知識と適切な対応が必要です。本記事では、ためこみ症の特徴や症状、家族ができる具体的な対応策について分かりやすく解説します。
この記事でわかること
親のためこみ症は1人で抱え込まず、症状や原因について理解を深めて対応していきましょう。

ためこみ症について理解を深めるため、まずは基本的な症状について解説していきます。
以下より、ためこみ症の病としての分類と症状について、3つのポイントで解説します。
ためこみ症は、医学的には強迫性障害に関連する心の病気のひとつとして位置づけられています。米国精神医学会の診断基準である精神障害の診断と統計マニュアル第5版では、「ホーディング障害」という独立した診断名で扱われるようになりました。
従来は強迫性障害の一症状と考えられていましたが、研究により、独自の特徴を持つ別の疾患であることが明らかになっています。強迫性障害の症状が「汚れへの恐怖」や「確認行為」などが中心であることに対し、ためこみ症は「物を捨てることへの強い抵抗」や「物への過度な愛着」が特徴です。
厚生労働省の資料でも、ためこみ症は適切な治療が必要な精神的な疾患として認識されており、専門的なアプローチが求められます。
参考:J-Stage|モノをため込む心理:誰が、何を、なぜため込むのか?
ためこみ症の最も特徴的な症状は、客観的には価値のない物でも捨てられず、自宅に溜め込んでしまうことです。具体的には、着られない服や雑誌、空き箱や壊れた家電製品など、一般的には不要と判断される物でも手放せません。
ためこみ症の方は、これらの物に対して「いつか必要になるかもしれない」「思い出があるから捨てられない」といった強い思いを抱いています。同時に、物を捨てようとすると、激しい不安や恐怖を感じるのです。
その結果、家の中は物であふれ返り、本来の生活スペースが確保できなくなってしまいます。ひどい場合には、寝る場所やキッチン、トイレさえも物で埋もれてしまい、いわゆるゴミ屋敷状態のまま自分では改善できなくなってしまう場合もあります。
ためこみ症は病気に分類されると他人からは気付きづらく、親がためこみ症でも「片付けが苦手なだけ」と放置してしまう方は多いでしょう。
しかし、ためこみ症は単なる片付け下手とは根本的に異なります。最も重要な違いは、ためこみ症が医学的に認められた病気であり、本人の意思や努力だけでは改善が困難な点です。
片付けが苦手な人の場合、「時間があるときに片付けよう」と思えば実際に行動に移せます。大切なものが多い方でも、冷静に取捨選択をして、ときには不要なものを捨てる判断ができる場合がほとんどです。
しかし、ためこみ症の人は物を捨てることに対して強い苦痛を感じるため、理屈では不要と分かっていても行動に移せません。
また、生活に支障をきたすレベルかどうかも判断基準となります。通常の片付け下手であれば、多少物が多くても生活は送れますが、ためこみ症では家事や入浴、食事といった基本的な生活行為が困難になるほど物があふれてしまいます。
片付けや処分を促しても精神状態から不可能であることが、ためこみ症を判断するうえで重要なポイントです。

親がためこみ症と疑われる際は、以下のチェックリストで確認してみましょう。
ためこみ症チェックリスト
当てはまる項目が多いほど、ためこみ症の可能性が高くなります。気になる症状がある場合は、1人で悩まず精神科や心療内科などの医療機関、または地域の相談窓口に相談しましょう。

「なぜ親がためこみ症になってしまったのか」と疑問に思う家族も多いでしょう。ためこみ症は単純に片付けが苦手というわけではなく、複数の医学的・心理的要因が複雑に関係して発症する病気です。
ためこみ症になってしまう主な原因として、3つを具体的に解説します。
ためこみ症には遺伝的または生まれ育った環境が関与していることが研究で明らかになっています。血縁者からの性格的な遺伝のほか、物で溢れかえっている家庭で暮らしてきたことから、「物で溢れている生活環境」への抵抗がないことが原因の1つです。
また、世代や経済能力から「使えるものを捨てるのは言語道断」「もったいない」が強く根付いている場合もあります。物が新たに手に入りづらい環境で育ったからこそ「いつか必要になるかもしれない」という不安を抱きやすくなる場合もあるでしょう。
「親も片付けができない人だった」という場合も、子どもは整理整頓を学ぶ機会がないまま成長し、大人になっても同じような傾向を示すことがあります。
ためこみ症の発症には、過去の失敗体験や喪失体験が大きく関わっている場合もあります。
以上の例が引き金となって、物への執着が強くなることがあります。特に「過去に大切な物を捨てて後悔した」という経験がある方は、「二度と同じ失敗をしたくない」という思いから、あらゆる物を手放せなくなる場合もあるでしょう。
物を捨てることに対して激しい不安や恐怖心を抱き、「捨てたら取り返しがつかない」という思考パターンに陥ってしまうのです。
ためこみ症の発症には、脳の機能、特に前頭葉の働きの変化が関係していることも報告されています。前頭葉は意思決定や計画立案、整理整頓などの実行機能を司る部分で、この領域の機能が低下すると、物の価値を適切に判断したり、不要な物を選別したりすることが困難になります。
加齢とともに認知機能が低下すると、判断力や記憶力に影響が出始めます。「この物をなぜ取っておいているのか分からない」「どこに何があるか把握できない」といった状況が生じ、結果的に物を手放せなくなります。
特に軽度認知障害や認知症の初期段階では、物への執着が強くなるとの報告もあります。年齢ではなく認知機能の変化によるものであるため、特に親が高齢になってから自宅が物であふれるようになった際には、検査も視野に入れましょう。

ためこみ症を「ただの片付け下手」と軽視して放置すると、さまざまな深刻な問題が発生する恐れがあります。
親のためこみ症を放置せず適切に対応するためにも、4つのリスクについて把握しておきましょう。
部屋に物があふれた状態では、掃除が行き届かずホコリやカビ、ダニが大量発生します。これらのアレルゲンは呼吸器疾患やアレルギー症状の原因となり、特に高齢者や持病のある方にとっては深刻な健康被害につながりかねません。
同居する家族の健康被害はもちろん、転倒事故の危険性もあります。特に親が高齢者の場合、転倒により骨折を起こすとそのまま寝たきり状態になってしまう恐れもあります。
また、物が積み重なった不安定な状態では、物が崩れ落ちて下敷きになる事故も考えられます。重い物や尖った物が落下すれば、大怪我を負うリスクもあるため、ためこみ症は放置できません。
物があふれた環境では、基本的な生活行為である掃除・料理・入浴が困難になります。
さらに問題となるのは、社会的孤立です。「物で溢れかえった自宅を他人に見られるのは恥ずかしい」と思う一方で、ためこみ症により物を捨てたり片付けたりはできません。
その結果、自宅に友人や親戚を呼ぶことを避けるようになります。配達業者やヘルパー、修理業者などの訪問も断るようになり、生活に必要な交流やサービスを受けられない状況に陥ります。
このような孤立状態は精神的なストレスを増加させ、うつ状態や不安症状を悪化させることがあります。社会とのつながりを失うことで、問題の早期発見や適切な支援を受ける機会も失われてしまうのです。
物があふれた状態では、生ごみの処理や清掃が適切に行われず、悪臭や害虫の発生につながる恐れもあります。
不用品やゴミによる劣悪な環境が続けば、近隣住民の生活環境も悪化してしまい、管理会社からの警告や改善要求をされる可能性もあります。行政的な措置を受けるほか、近隣住民と交流できなくなり、健康面はもちろん孤立化がさらに進んでしまう場合もあるでしょう。
ためこみ症が悪化してゴミ屋敷状態になると、行政による介入が行われる可能性があります。多くの自治体ではゴミ屋敷条例が制定されており、住民の生活環境や安全に影響を与える場合は、行政指導や改善命令が出されます。
このとき、親がためこみ症を発症していれば、改善命令を出されたとしても自分では物を捨てられません。最終的に改善が見られない場合は、行政代執行による強制的な片付けが実施されることがあります。
結果的に、片付けにかかった費用は所有者に請求され、数百万円の高額な費用負担が発生することもあるでしょう。
さらに深刻なのは、火災や衛生問題が発生した際の損害賠償責任です。物が積み重なった状態では火災が発生しやすく、延焼により近隣住宅に被害が及んだ場合は、多額の損害賠償を求められる可能性があります。
処分時の費用負担や損害賠償は、家族が負債として相続しなければいけない恐れもあり、早期の対応を検討することが大切です。

親がためこみ症の症状を示している場合、家族としてどのように対応すべきか悩む方も多いでしょう。重要なことは、物を捨てられない・溜め込んでしまう親に批判的な態度を取ることではありません。
以下より、親のためこみ症への対応方法を、4つのステップで解説します。
ためこみ症が疑われる際は、まず否定せず冷静に親の心理状態に寄り添いましょう。ためこみ症の親に対して「片付けなさい」「恥ずかしい」と感情的な言葉をかけては逆効果です。
本人は物を手放すことに対して強い不安や恐怖を感じているため、批判的な言葉は反発につながりかねません。そこで、以下の問いかけから親の物に対する愛着や不安の背景を聞き取りましょう。
現状把握の際は、生活にどの程度支障が出ているか、健康や安全面でのリスクがあるかを客観的に判断することが大切です。感情的な判断ではなく、具体的な問題点を整理することで、今後の対応策を検討する材料を集めましょう。
ためこみ症は医学的に認められた精神的疾患であり、本人や家族だけで解決するには限界があります。そのため、ためこみ症が疑われる場合は、以下の専門機関へ相談しましょう。
医師やカウンセラーにより、ためこみ症の発症有無や重症度を判断してもらえます。症状や診断内容によっては薬物療法が有効と診断される場合もあり、処方箋により症状が軽減される場合もあるでしょう。
また、認知機能に関する診断結果から、認知行動療法や心理療法を提案される場合もあります。
専門家による適切な治療を受けることは、ためこみ症の改善において堅実な道筋の1つです。家族が付き添って一緒に相談に行くことで、本人の不安を減らして、治療への意欲を高めましょう。
親がためこみ症を理解していない場合は、客観的な情報を分かりやすく伝えることが必要です。そのため、感情的にならず事実に基づいた情報を冷静に伝えましょう。
リスクや症状を伝える際は、客観的な事実として問題を伝えることが大切です。
感情的にならず、あくまでも客観的な事実として伝えましょう。合わせて、ためこみ症は単なる性格や癖ではなく、治療が必要な病気であることを理解してもらう必要があります。
医学的に認められている病気であることを伝えて、本人の罪悪感を軽減し、治療に対する前向きな気持ちを引き出すことがポイントです。ためこみ症の治療について伝える際は、親を責めるのではなく心配していることを伝えましょう。
片付けの際は「新聞紙の束だけ」「テーブルの一角だけ」など、小さな範囲から親と一緒に始めましょう。
ためこみ症の対処をしないまま、親の意思を無視して大規模な片付けを始めれば、本人は強い抵抗を示すことがほとんどです。そのため、まずは片付けや処分の抵抗感を減らせるよう、本人の判断を尊重しながら少しずつ処分することが大切です。
「保管するもの」「処分するもの」「判断を保留するもの」に分け、段階的に進めましょう。合わせて、小さな片付けでも完了した際は、成果を認めて褒めることが大切です。
「テーブルがきれいになって気持ちがいいね」「歩きやすくなったね」といった肯定的な声かけにより、本人の自信と達成感を育てられます。小さな成功体験を積み重ねて、焦らず長期的な視点で取り組むことが、持続的な改善への道筋です。

家の中の物量が非常に多く、家族だけでは対処しきれない状況にお悩みの場合は、プロの不用品回収業者に依頼することもおすすめです。専門業者であれば、大量の不用品の処分も短期間で効率的に済ませられます。
特にゴミ屋敷化してしまった状態や、親が体力的に片付け作業に参加できない場合は、業者のサポートが欠かせません。作業員が複数名で対応するため、家族だけでは数か月かかる作業も、数日で済ませられるでしょう。
業者を利用することは決して恥ずかしくはなく、安全かつ現実的な手段です。適切な処分方法や分別についても専門知識を備えているため、不用品回収業者も活用して、安全かつ環境に配慮した処理を目指しましょう。

親のためこみ症は、単なる性格ではなく、専門的な治療が必要な医学的に分類される病気の1つです。発症している本人は自覚がなかったり、片付けたい気持ちはあっても片付けられない場合があるため、家族の理解とサポートは大切です。
病の1つに分類されるからこそ、1人で悩まず、家族や専門家の協力を得て解決することが欠かせません。ためこみ症の症状に寄り添って対応方法を考えていくとともに、物量が多い場合は不用品回収業者の利用も視野に入れ、現実的な解決策を検討しましょう。
即日回収隊では、ためこみ症のご家庭への配慮を重視し、お客様のペースに合わせた丁寧な作業を心がけています。無料見積もりも実施しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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