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近隣にゴミ屋敷があり悪臭や害虫に悩まされている方、あるいはご自身やご家族の住まいがゴミ屋敷状態になってしまい困っている方は少なくありません。ゴミ屋敷問題は当事者だけでなく、周辺住民の生活環境にも深刻な影響を及ぼします。
近年、全国の自治体でゴミ屋敷問題に対応するための条例が制定されるようになりました。しかし、条例の内容や市役所の対応、行政代執行の仕組みについて詳しく知らない方も多いでしょう。
本記事では、ゴミ屋敷条例の基本的な内容や全国の条例事例、行政代執行の流れについて詳しく解説します。
この記事でわかること
近隣のゴミ屋敷に困っている方も、当事者として支援を求めたい方も、問題解決のための情報を得られる内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。

ゴミ屋敷条例とは、居住者が物品やゴミを過度に蓄積させた結果、周辺住民の生活環境に悪影響を及ぼしている住宅に対して、自治体が指導や勧告・命令できる条例です。
具体的な状況として、以下が例として挙げられます。
敷地の外からも明らかに物品が積み上がっていることが確認でき、近隣住民から苦情が寄せられるような状況であれば、ゴミ屋敷として行政の対応対象となる可能性があります。
ゴミ屋敷条例は所有者や居住者に対して、自主的な片付けを促すことを第一の目的としており、段階的な指導を経て改善されない場合には、最終的に行政代執行による強制的な片付けが実施されることもあります。

ゴミ屋敷条例は全国的に広がりつつありますが、すべての自治体で制定されているわけではありません。現在、条例を施行している主な自治体には以下のような地域があります。
一方で、条例が制定されていない自治体も多く存在します。条例がない地域では、廃棄物処理法や建築基準法、消防法などの既存の法律に基づいて対応することになりますが、ゴミ屋敷に特化した条例がある自治体に比べると、対応に時間がかかる傾向があります。
お住まいの地域にゴミ屋敷条例があるかどうかは、市区町村の公式サイトで確認できます。

全国の自治体で制定されているゴミ屋敷条例には、それぞれ地域の実情に応じた特徴があります。
ここでは自治体でのゴミ屋敷条例の対応内容や具体的な事例として、3つを紹介します。
世田谷区は平成28年に「世田谷区住居等の適正な管理による良好な生活環境の保全に関する条例」を施行しました。この条例では、ゴミ屋敷を衛生上・防火上・防犯上の問題が生じ、地域住民の生活環境に悪影響を及ぼす状態と定義しています。
世田谷区の条例の特徴は、福祉的な視点を重視している点です。ゴミ屋敷の背景には、高齢や病気、経済的困窮などの事情があることが多いため、福祉部門と連携しながら当事者を支援する体制を整えています。
世田谷区では条例施行後、複数の案件で改善実績を上げており、行政代執行に至らずに自主的な片付けが進んだケースも多く報告されています。
名古屋市は平成30年に「名古屋市不良な生活環境を解消するための条例」を施行しました。この条例は、ゴミ屋敷だけでなく、空き家や放置自動車なども対象としています。
名古屋市の条例では、以下の状態を「不良な生活環境」と規定しています。
名古屋市では条例施行前から庁内の関係部署で構成される対策会議を設置して、環境部門、福祉部門、消防部門などが連携して対応にあたっていることが特徴です。この横断的な体制により、個々のケースに応じた柔軟な対応を実現しています。
参考:名古屋市|名古屋市住居の堆積物による不良な状態の解消に関する条例
大阪市は平成25年に「大阪市住居における物品の堆積による不良な状態の適正化に関する条例」を施行しました。大阪市の条例は、住居及びその敷地における物品の堆積による不良な状態に特化した内容であり、ゴミ屋敷問題に焦点を当てた規定が設けられています。
大阪市でも、悪臭や害虫が発生している状態や、火災の危険性がある状態などを不良な状態として定義しています。そして、大阪市のゴミ屋敷条例の特徴として、地域住民や民生委員、自治会などとの連携を重視している点が挙げられます。
地域からの情報提供を受けて早期に対応することで、問題が深刻化する前に解決できるケースも増えています。

各自治体ではゴミ屋敷条例を施行し、地域のゴミ屋敷問題に対処していますが、対応内容が限定され課題も残っている点は知っておきたいポイントです。
ここでは、ゴミ屋敷に対する行政対応の難しさや課題について解説します。
ゴミ屋敷問題において「市役所の対応が遅い」と感じる方も多いですが、これには法的な理由があります。日本国憲法では財産権が保障されており、たとえゴミであっても所有者の財産であるため、行政が勝手に処分できません。
住居は個人のプライバシーが守られるべき空間であり、行政が強制的に立ち入ることは原則としてできません。そのため、まずは所有者や居住者に対して任意の協力を求め、自主的な片付けを促すことが基本となります。
また、ゴミ屋敷の当事者には高齢者や病気を抱えている方、経済的に困窮している方などが多く、単に片付けを命じるだけでは根本的な解決にならないケースも少なくありません。福祉的な支援や医療的なケアが必要な場合もあるため、慎重な対応が求められます。
このような背景から、行政が介入するまでには時間がかかり、近隣住民からすると対応が遅いと感じられることがあります。
ゴミ屋敷条例に基づく対応は、4つの段階を踏んで進める必要があり、それぞれの段階で一定期間を設けなければいけません。
所有者や居住者に改善の機会を与えるという法的な手続きの性質上、迅速な解決は構造的に困難です。
各段階では、文書による通知を送付し、相手方の弁明の機会を確保する必要があります。また、指導から勧告、勧告から命令へと進む際には、それぞれ合理的な期間を設定しなければなりません。
結果として、最初の相談から行政代執行の実施までには、数か月〜1年以上かかることも珍しくありません。近隣住民にとっては長く感じられる期間ですが、適正な手続きを経るためには必要な時間なのです。
ゴミ屋敷問題では「何をもってゴミ屋敷とするのか」という定義が曖昧であることも課題の1つです。近隣住民からすれば明らかにゴミ屋敷だと思えても、当事者は「まだ使える物を保管しているだけ」と認識している場合もあります。
条例では一般的に、物品の堆積により周辺の生活環境に著しい支障を及ぼしている状態をゴミ屋敷として定義していますが、どの程度の堆積で「著しい支障がある」といえるのかは、状況を見た人それぞれでも判断が分かれるでしょう。
特に以下の例では、行政が強制的な措置を取りづらい事情があります。
このような認識のズレにより、近隣住民と行政の間で対応への温度差が生じることがあります。
行政代執行が実施された場合、その費用は原則として所有者や居住者に請求されます。行政代執行にかかる費用には、以下の項目が挙げられます。
ゴミの量や状態によっては数百万円に及ぶこともあります。行政は代執行後に費用を請求しますが、ゴミ屋敷の所有者は経済的に困窮しているケースが多く、費用を回収できないことも少なくありません。
自治体によっては、費用回収が困難な場合の対応方針を定めていますが、税金で賄うことになるため、慎重な判断が求められるでしょう。
また、費用請求を巡って法的な争いに発展する可能性もあります。所有者側が行政代執行の手続きに瑕疵があったと主張したり、費用が不当に高額であると訴えたりする場合もあるため、行政は慎重に手続きを進めなければなりません。
なお、行政代執行により請求された費用は、相続を経て親族が引き継ぐケースもあります。家族や親族宅のゴミ屋敷化にお悩みの方は、行政が介入する前に解決を目指すことも検討しましょう。

実家や家族の住まいがゴミ屋敷状態になってしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
ここでは、実家や親族の自宅がゴミ屋敷化した際の、具体的な対処方法を3つ紹介します。
まず最初に行うべきことは、本人と冷静に話し合い、なぜゴミ屋敷状態になってしまったのかを理解することです。頭ごなしに叱責したり、無理やり片付けようとしたりすると、本人が心を閉ざしてしまい、かえって解決が遠のくおそれがあります。
ゴミ屋敷化の背景には、以下の例が挙げられます。
本人にとっては物を捨てることに強い抵抗があったり、片付ける気力が湧かなかったりする深刻な理由があるのです。
対話の際には、本人の話をよく聞き、なぜ物を溜め込んでしまうのか、何に困っているのかを丁寧に確認しましょう。本人が抱えている不安や悩みに寄り添う姿勢を示すことで、少しずつ協力を得ることが大切です。
本人との対話だけでは解決が難しい場合は、市区町村の相談窓口に支援を求めることをおすすめします。多くの自治体では、環境課や福祉課などにゴミ屋敷に関する相談窓口を設けています。
行政に相談すると、まず職員が状況を確認し、本人の状態や生活環境について調査を行います。本人の状況やゴミ屋敷化の原因を検討のうえ、しかるべき専門期間と連携した対応を提案してもらえるでしょう。
| ごみ屋敷化の原因 | 対応例 |
|---|---|
| 家主の高齢化 | 地域包括支援センターと連携した介護サービスの利用や見守り体制の構築 |
| 家主の精神疾患 | 保健所や精神保健福祉センターと連携した医療機関の受診サポート |
| 経済的な困窮 | 生活保護の申請や福祉サービスの利用案内 |
行政の支援を受けることで、家族だけでは解決できなかった問題に対して、専門的な知識や経験を持つ職員のサポートを得られます。早めに相談すれば、問題が深刻化する前に適切な支援を受けられる可能性も高まります。
行政の支援を待つ時間的余裕がない場合や、本人の同意が得られて早急に片付けを進めたい場合は、不用品回収業者に依頼する方法もあります。専門業者であれば、大量のゴミや不用品を短期間で効率的に処分できます。
不用品回収業者に依頼する際には、複数の業者から見積もりを取り、料金やサービス内容を比較することが重要です。また、一般廃棄物収集運搬業の許可を持っている業者を選ぶことで、適正な処分を依頼しましょう。
ただし、本人の同意なく勝手に片付けを進めてしまうと、家族関係が悪化したり、本人が強い反発を示したりすることがあります。できる限り本人と話し合い、納得してもらったうえで業者を利用することが望ましいでしょう。
業者選びや依頼方法について詳しく知りたい方は、不用品回収業者の選び方についても参考にしてください。

ゴミ屋敷の片付けは、量が多いほど時間も費用もかかる大変な作業です。ご自身や家族だけでは対処しきれない場合は、専門の不用品回収業者に依頼することをおすすめします。
即日回収隊では、ゴミ屋敷の片付けに豊富な経験を持つスタッフが、迅速かつ丁寧に作業を行います。大量の不用品やゴミの分別・搬出・処分まで一括して対応できるため、短期間で住環境の改善を目指せるでしょう。
お見積もりは無料で、現地の状況も確認したうえで明確な料金をご提示します。お困りの際は、ぜひ即日回収隊へお気軽にご相談ください。
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